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山小屋日記「裏銀座縦走」 (京子)

9月1日~7日

バイトが終わった。
山旅をして帰ることにしたら京子が旅に付き合ってくれると言う。
彼女は一旦帰京して、直ぐに戻って閉山まで働くらしいが、何はともあれ一人旅より心強い。
それは彼女にとっても同じかも知れない。
京子が何に目覚めて山に入るようになったのかは知らない。
山が好きらしい事は分るが、かといって山登りに嵌っているという訳でもない気がする。

一週間も女性と二人で旅をするのは初めてだ。
それに彼女の体力とか知識とか経験とかその他の事も知らないけど、少なくともJRCの連中と同じに見たら
危ない気がする。
あくまで初心者だと考えていかないと、無理をしたら事故に繋がるかも知れないから要注意だけど、そういう
気遣いの経験が無いので一寸不安もある。

親父が紹介状を何通も書いてくれた。
中身は知らないが、この二人をよろしくという様なものではないだろうか。
コースは北アルプス裏銀座縦走、出来れば北アルプス全山縦走をやってみたいけど、一寸自信が無い。
しかし、そう思うと剱での岩登りに参加する為に穂高から剱まで縦走した障子は凄い女だったのだなあと思う。

9月1日
9:05 西穂高山頂着。展望無し。
ピラミッド辺りで後ろから来た人たちに抜かれたけど、凄いスピードの人もいるものだ。
京子の為にスローペースで登っているせいもあるけど、それにしても早い人たちだった。
岳沢から登って来た人達から氷砂糖を貰った。
山には親切な人が沢山いるのだなあと思った。
そういう山を久しく登って無いけど、そもそもそういう出会いも山の楽しさだったのだと思い出した気がする。

11:25 天狗の非難小屋着。
依然として視界不良、芳兵衛がくれた昼飯のおにぎりを食べる。
14:40 奥穂高山頂着。霧ションが酷い。
この山頂から白出しのコルまでの道が難しい。 奥穂の重太郎さんでも迷った事が何度か在ると言っていたけど、
本当にそういる感じだ。
飛騨側に入らないようにと意識しすぎると迷ってしまう。
視界はせいぜい七、八m、岳沢から来た人達の後ろから付いて行く。これが一番安全だ。
15:00 奥穂山荘着。 ついに雨になった。
重太郎さんも奥さんも元気だった。

9月2日 ガス、風が強い。
7:00 出発、唐沢岳への登り道が見つからない。風がガスを押し流し風がガスを押し出して来るから結局は
ガス。鎖場の下でヤッケを着込む、体が宙に舞いそう。もしかして此れって暴風??
9:20 北穂小屋に避難する。
小屋の田中さんはお元気そうだけど、今日は機嫌が悪そうだった。
小山さんに二階で遊んでいけと言われて二階へ・・。結局今夜は此処でお世話になった。

9月3日、快晴。やっと暴風がガスを全部運び出してくれて見事な晴。
北アルプスに小屋は沢山あるけれど、山頂にある小屋はここだけではないだろうか。
兎に角気持がいい、最高の朝だった。
昨夜同宿した工学院の岡野谷君は剱まで剱? そりゃ障子と同じだ、ご苦労様。
彼に遅れて30分、我々も出発。 小屋の人に岡野谷君が忘れたナイフを届けてやってくれと頼まれた。
一宿一飯の恩義、その位の事はなんでもないけど、岡野谷君に追いつくと決め込んでいるところが小屋の
住人らしくて気持良かった。
キレットを飛んで下りて第一コルで追いついてナイフを渡して先に進む。
中岳でゴロ寝、槍ヶ岳小屋にヘリが飛んで来て、資材を降ろしていた。
小屋の改築でもするのかなあ。
昔は背負って揚げたのだろうから、便利になったものだと思うけれど、人間が歩いて登るのに木材はヘリに
乗ってくるというのが妙に愉快だった。

11:30 槍ヶ岳小屋着。
小屋の松井さんにザックを預かって貰って山頂へ行って昼寝をした。
アルプス一万尺という歌があるけれど、その中二番の「お花畑で 昼寝をすれば  蝶々が飛んで来て 
キスをする」というのと一番の「アルプス一万尺 小槍の上で  アルペン踊りを さあ踊りましょ」
というのが何時も重なってしまうが、今日は当にそんな感じだ。

アルプス一万尺という歌で何時も不思議に思うのは四番以降が安曇節と同じ歌詞だという事だ。
アルプス一万尺の曲は小気味いいテンポの早い曲だけど安曇節は牛に曳かれている見たいに鈍い曲、
どうして同じ歌詞で合うのか不思議でならない。
アルプス一万尺という歌で何時も関心するのは大槍では無く何故小槍だのだという事だ。
1尺は30.3cm、1万尺は3030m、大槍は3180mだから小槍なのかとも思うけどそれだけではない気がする。
小槍の上でアルペン踊りを踊ったリ、テントを張って星のランプに手が届かせるのは、クライマーじゃなきゃ
出来ないという拘りが作意に秘められている気がする。
確かに小槍にテント張れる奴はスゲー奴に違いない。

いい気持で寝ていたら中央大の連中がドタドタ登ってきて起こされてしまった。

9月4日、ガス
6:40 出発、昨日電話したら芳兵衛が飛騨から双六に向かっているので、双六小屋に行けば会えるかも
知れないという情報を得たので急いでみた。
9:15 双六小屋着、芳兵衛は見当たらなかった。雨になった。
11:20 三俣小屋着。
小屋で岡野谷君に再会、どうぢゃら雨は止みそうに無いので此処で泊まりにする。

9月5日、雨
裏銀座というのは何処まで続いているのだろう。
蓮華岳、針ノ木岳辺りも裏銀座なのだろうか。
7:10 剱までガンバルという岡野谷君と握手して別れ、小屋で同宿した島崎よし江さんという女性と
松本さんという男性(後日:同氏は八ヶ岳でなくなったらしい)と一緒に湯俣へ向かう。

銀座といわれるだけあって道は完全舗装?だけど僕は踏み跡に馴れているから、平気で間違えそうだ。
この辺り、晴れていれば雲上の楽園、最高に美しい所らしいけど、何にも見えない。
日ごろの行いが悪いのだろうか。
僕には舗装だったけれど島崎さんと松本さんにはラフロードだったのかも知れない。
途中で二人共足を痛めてしまって大分時間がかかった。
幸い雨は上がって、蒸し暑さが出てきた。
二人は今日は湯俣で泊まるらしいので、バスの時間がある我々は一足先に降りる事にした。

12:50 湯俣山荘に着く。冷やしそばを食べる。
13:15 出発、京子には気の毒だが少しピッチをあげさせてもらった。
14:30 東沢出合着。 此処に軌道があった。 ここで僕たちより先に出た三俣山荘の人達と再会する。 
どうやら仮病を使って軌道車に乗せて貰おうと交渉中らしい。
16:30 七倉着。 七倉にあと1㌔という処で軌道車に乗せて貰った三俣山荘の人達に抜かれた。
あああ、この二時間のアルバイトは何だったのだろう!

七倉にあった新しい小屋でテレビで依田選手が敗れたのを見ながらバスを待っての一時間の昼食休憩、
バスに乗ったら直ぐ葛に着いた。
十分位しか乗らなかったから歩ける距離だったみたいだ。

高瀬館に投宿する。
主の上条さんは不在だったが息子さんがいたので親父からの紹介状を渡してお世話になった。
この宿は湯の谷として有名らしい。
久しぶりの温泉だし、山の旅の後の温泉は最高だ。
それに山小屋と違って食事もちゃんとした温泉旅館の食事だったからすっかり寛いだ。

夜、京子が何時に無く緊張していた。
すっかり寛いでいるのに緊張しているのは、同じ部屋で初めて浴衣で寝るからだろう。
そういえば、女も久しぶりだ。
京子が緊張を見せなかったら気がつかなかったけど、こうマトモに緊張されると期待しているのかと思ってしまう。
温泉宿に二人だけで泊まるのだから普通の女性ならやられるかも知れないと思う方が普通だろう。
やれば怒るだろしやらなくても怒るだろう。
こういう場合って、男はどうすりゃいいのだ!!

9月6日 晴
宿の人にお礼をいって8:40のバスに乗る。
いい天気だ。結局今回の旅は霧と雨の旅、僅か北穂から槍の一日だけが天気だった。
いい気持だ。結局昨夜は京子を抱かなかったけど、いずれそういう日もあるかも知れない。
大町に出て、山岳博物館にタクシーで行った。
帰りはアイスキャンディーを三本程舐めながらブラブラと戻ったけれど、電車にはまだまだ時間があったので
パチンコ屋に行った。
改札時間になって駅に行ったら島崎さんに又会った。
松本に出て、「山小屋」に下山報告、荷を預けて松本城などを見学に行って時間を過ごし、最終電車に乗った。

9月7日
電車は早朝新宿に着いた。映画に行く約束だったけど、映画が始まるまでの時間の過ごし方に苦労した。
何とか過ごして映画を見たのだけど、結局二人共映画館の中で寝てしまったから全然覚えていない。

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振られる度に、もう恋なんかと何度思ったことか。相手にされないのも寂しいけれど、引寄せられてからストンと捨てられるのはもっと痛い。振られる度に臆病になって、此れは恋では無かったのだと慰める。傷つかない偽りの恋しか出来なくなっても恋は恋、小さくても偽物でも恋は至福です。

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