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「遥かなる山の彼方に」  2 雨の明神 (3)

 邦子は早かった。 邦子の技量は知っていたが君男の技量は知らなかった。しかし君男も実に早かった。 天候に恵まれた幸運もあったが、二人とも経験以上の技術を持っていた。君男はガンより早いかも知れない。少なくとも天城よりは早い気がする。 ガンや天城をスピード登攀のトレーニングに誘ったら抱腹絶倒するだろうか。あの二人に訓練の為の山という発想は無いかも知れないが、あの二人に君男達と競わせてみたい気もした。 ...

「遥かなる山の彼方に」   2 雨の明神 (2)

 明神五峰東壁。 パートナーはCCCの大場邦子と其の友達の君男。 晶子はこの山行で主峰東稜~二峰バットレス~二峰東稜~三峰バットレスと言うスピードとコンビネーションが勝負になるであろう連続登攀を狙った。 最近日本のクライマーたちが挙(こぞ)ってヨーロッパアルプスへ出掛けている。 日本アルプスでも本場アルプスの長大な登攀のトレーニングとして、二つ以上のルートを連続して登攀することが尖鋭的クライマーたち...

「遥かなる山の彼方に」   2 雨の明神 (1)

                2 雨の明神       七月に入って晶子は天城を谷川岳の新人合宿に送り出した。 仕込んでおきながら彼女自身は新人合宿に参加せずに友達のCCCの邦子と明神岳へと向かった。合宿に参加するのは容易(たやす)いことだが入試に母親がついて行く様な感じがして、どうしても一人で行って欲しかったからだ。せめて父親役のガンには付いて行って欲しいと思っていたが、ガンも「鷹ノ巣は試金石だ...

その時の彼女を推理 「安恵さん」

安恵さんの場合は・・・それは彼女のにとって青天の霹靂だったに違いない。まさか自分の子供と同じ位の年の子と・・、その瞬間に至るまで彼女は想像すらなかったと思う。夏の日、ムームー姿で畳にゴロリと寝ころんで本を読んでいた。相手は子供だからと思って油断して。乳首がムームーから飛び出ていたのは気が付かなかった。僅かな沈黙の空気で感じた瞬間、其の事に気が付いてムームーの中に隠そうとしたのが返って行けなかった。...

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ひろあき

Author:ひろあき
振られる度に、もう恋なんかと何度思ったことか。相手にされないのも寂しいけれど、引寄せられてからストンと捨てられるのはもっと痛い。振られる度に臆病になって、此れは恋では無かったのだと慰める。傷つかない偽りの恋しか出来なくなっても恋は恋、小さくても偽物でも恋は至福です。

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