失恋教室

８月８日、ブチとSaeと富士へＧＲＡＮＰＲＩＸを見に行った。

　　　

こういう組み合わせてＧＲＡＮＰＲＩＸへ行く事は珍しい。
然し考えてみればブチとSaeという組み合わせ自体は元々ありえたのかも知れない。
ブチの心に秘めていた女性は美穂、確かに美穂は可愛い子だった。
其れに体も小柄でブチと似合っていたし、小柄な理にスマートでキュートでセクシーだったからブチの大本命だった。

ブチにとっての最大のライバルは山口君、何て言っても土屋美穂と同じ所属、圧倒的に山口君の方が有利だった。
それでもブチがもっと早くから積極的に攻めていれば、美穂をゲット出来た可能性はあった。
美穂という存在が無ければ、ブチにSaeを宛がっていたかも知れないけど、まあ美穂に惚れるのは順当だったから、
そっちのケリを付けるのが先だった。

ブチには早く美穂を車に連れ込んでやってしまえ！と何度も言った。
言ったところで、ブチがやるとは思えなかったが、言わなかったら余計にやらない。
美穂の気持を聞いてやろうかとも思ったけれど、それは止めた。
美穂の気持を聞くための美穂と会ったら、Saeの二の前になりかねない。
ケン坊の為にSaeの気持を聞いてやろうとSaeに合ったら、アクシデントとはいえ其の場でSaeに手出ししてしまった。
おタカの場合も似た様なものだ。
おタカの場合は手出ししてきたのはおタカの方だったけど、どっちが手をだしたか大した問題では無い。

ブチが夢中になった美穂は俺から見ても一寸食指が湧く。
ブチが狙っている獲物だから手を出さなかったのもあるが、ブチから取り上げる程欲しいとは思わなかった。
しかし二人で会ったら、やっちゃうかも知れないと思う位の魅力はあった。

結局ブチは美穂に手をだせなかった。
デイトの申し込みをしたという噂はあったけれど、一瞥されたという噂でもあった。
どっちが本当かわからないけれど、どっちも本当の様にも思えた。
ともあれ、ブチが美穂との決着がつくまでは他の女を宛がってもダメだろうからSaeの事は考えもしなかった。

それと、ブチとSaeはどっちが年上なのか、その辺の事も分からなかった。
僕から見ればどっちも年下だから、あんまり考えなかったけれど、Saeはブチの事をブチクンと言うから、
若しかしたら同級生か、Ｓａｅの方が年上なのかも知れない。
然し、まあ、どちらが上にしても大差ないし、組み合わせとしては体格的にも合致していたのかも知れない。

ＧＰに行く時、Ｓａｅをブチの車に乗せた。
ブチは結構それを喜んでいたみたいだ。
ブチは結構スケベだ。
逃げない女だと思うとすぐに体に触って来る。
やりたくてしょうがないと言ったサカリの付いた小型犬のオス犬という感じだ。

ブチはＳａｅが僕の女になっている事を知らないのかも知れない。
或いは知っていて、どうせ遊ばれているのだから、ついでにやらせて貰おうと思っているのかも知れない。
どっちにしても構わないけど、Ｓａｅを好きになって結婚したいとは思わないで欲しい。
Ｓａｅの体はもう僕に馴染んでしまっている。
どっちにしても構わないけど、Ｓａｅを抱くのはまだ止めて欲しい。
Ｓａｅの心はもう僕に染み込んでしまっている。

結婚する気なら上げてもいいけど、Ｓａｅ往かせてからにして欲しい。
Ｓａｅの体はまだ製作途中、未完成なのだから。
只、Ｓａｅは数年以内に間違いなく名器に仕上がる。
結婚してからでも支上げさせてくれるならいいけれど、それが嫌なら完成まで待つべし。