失恋教室

１１月２２日
芳兵衛をトイレに連れて行って、しゃがませてイマラチオをした。
昨夜より全然楽だ。
要するに痛みは骨と皮膚の間の神経から発しているみたいだ。
だから、何かに当たらない限りは、普段の痛みと変わらない。
腰を使うと流石に痛いがフェラなら全く問題なさそうだ。
ところが芳兵衛はフェラが出来ない。
只、咥えているだけなので、どうにも歯がゆいというか逆にストレスが溜まってしまう。
スカッと抜いて欲しいのだけど、その要求は無理そうだ。
仕方なし自分で動いた。小さく腰を使うのは痛くて無理だから大きく使う。
其の分刺激は緩慢になるから、中々弾が上がって来ない。
芳兵衛の咽喉の奥に軽めに突いたら、一、二度ついただけなのに、おえっと来た。

おえっとされた経験が一度も無いので吃驚した。
長尺物の巨根なら分かる気もするけど、僕の様な一寸法師でおえっとつる訳が無い。
随分大袈裟な女だなと思った。
それとも芳兵衛の口が人一倍浅いのだろうか。
そんな風には見えないのだけど、どうなんだろう。
苦しがって、口を離してしまうので止めようかとも思ったけど、
いづれ教えなければならない事だから、無理やり押さえつけて射精した。
当然精飲するものと思っていたのだけれど、吐き出してしまった。
これには些かショックだった。
おえっと来たのは許せるけど、吐き出されたのは一寸許しがたい。
そもそも、イマラチオ自体は可逆的行為だ。
マゾとは言わないまでも、ややそれに準じる男の本能、それを否定された気分だ。

中学の頃、安恵さんから「精液を大事にしない女性とは付き合ってはいけない」と言われたのを思い出した。
安恵さんはこのこと言っていたのだろうか。

芳兵衛は洗濯物を持って昼前に帰って行った。
いかに若いとはいっても、床で寝るのはきついだろう。
其処へいくと、付き添いさん達は仕事とはいえど、たいしたものだ。
クロちゃんのお袋も頑張っている。
クロチャンのお袋は和装だ。きっちり帯を締めている。
まさか、帯をしたまま床で寝ているわけどは無いだろうが、それでも和服じゃ大変だろう。
其処へ行くと内のお袋は要領がいい。
流石引揚者、大陸を一年もかけて、赤ん坊を背負って逃げ回っただけの事はある。

午後になって、そのお袋が又来た。
偶然とはいえ、旨いタイミングで芳兵衛は帰ってくれたものだ。
クロチャンの具合はあんなり芳しくない様だ。
複雑骨折っていうのは手術がいるのだろうか。
僕も折ったことがあるけど、ギブスをされただけでオペはしたことが無い。
そのせいか、踵の骨折は今でも痛むことがある。
手術しないと痛みは取れないと言われたけど、たいした骨折じゃ無いからとしなかった。
もう、死四、五年位経つけど、痛みだけは再発する。
半年前も骨折したけど、自分で添え木作って包帯巻いて直しちゃった。
こっちは脛に傷跡があるだけで、痛みは無い。
クロチャンは凍傷の様子見というか、そっちの手術を検討しているらしく、骨折のほうに手が回せないらしい。
大事にならなければいいのだが、少なくとも凍傷の方は手術になりそうだ。