失恋教室

一寸天然性がある子、小悪魔的な彼女だが天然性があるので、只性的に魅了されるだけでなく、不思議さが素敵だった。
ある意味では第二の陽子という感じ、陽子には薄痴的な可愛さがあったけれど彼女はそういうのとは一寸違う。
何を考えているのだろう？と思うところが多いという点では似ているけれど、その本質は陽子とは違った。
何が？というとセックスに対する考え方的な部分が普通の女性とは全然違って極めて理解し難い子、
だからこそ興味深いし面白いし、人を魅了する子だった。

彼女は一言でいうと”同じ男とは二度と寝ない”、そういう子、其れが信条なのか理念なのか主義なのか？
それは分からないけれど結果的にはそういう考えを持っていた。
何故？という事も分からないが、”同じ男とは二度と寝ない”と言うのは明らかに彼女の意識にはあったから、
単なる薄痴では無く、ちゃんと頭は回っているのは確かだった。

彼女は次々と男を替える・・という意味では尻軽な女でもあるけれど、それもあまりピタッとはしない。
何しろ”同じ男とは二度と寝ない”のだから”恋多き女性”と言うのとも一寸ニュアンスが違う。
哲学的思考？の様にも思えるが、一方において天然性も確かにあるから、それもあまり当らない。
兎に角不思議な子だった。

彼女には何人か男を紹介した。
というのも彼女は特定の彼氏を探しているという感じの事を言ったからだ。
だけど、紹介してもなんとなく上手く繋がらない。
紹介した男の方から、付き合って貰えない！という一種の苦情めいた事を言われた。
とう言われても・・という感じ、付きあうかどうかは本人同士の問題、その後の事迄は知らない！というい感じ。
二、三人紹介した奴がみんな同じ様な事を言うので彼女に聞いてみたら、何とその答えは・・。

彼女が言うには「誘われなかった」からとの事。
つまり、ホテルに連れて行かれなかったから・・という事らしい。
紹介したらその男はホテルに連れて行くと思っていた？　そんな感じ。
特定の彼氏を探しているのでは無かったのか？

その辺はどうもはっきりとはしなかったけれど、ホテルに連れていかれたら抱かれたという事らしい。
そこで、紹介した男にその事を伝えてやろうと言ったら「あの人達はもういい」と断られた。
そもそも真面目に付き合う男を探しているのだと思っていたのだけれど、そこから誤解だったか？
そおう思って聞いてみたら、其れは間違いでは無いらしい。
何だかよくわからなかった。

其れから二、三度彼女に会った。
特定の彼氏を探しているという割に、彼女は自分では探していないという事が分かった。
要は自分からはそういう事が出来ないらしい。
人にセットして貰う、つまりそうしないと男との接点は自分では作れない内気な性格？らしい。

その後彼女に会っていない。
要するに面倒になった。
男を紹介するのは彼女の為、その彼女が乗り気でないなら、なんとなくばかばかしい。
確かに紹介した男に抱かれている彼女を想像するという楽しみもあったけれど、其れが成立しないのなら
楽しみも無い。
彼女自身は抱かれる気はあったのだと思うけれど、だからと言ってそう沢山期待していた訳でも無かったのだろう。