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初めてされたキス (おタカ:スキーバス)

一昨日、2月の2-3と会社の仲間たちとバスを借り切って長野にスキーに行った。
      菅平1      菅平2
おタカが集団を避けるかの様に最後尾にちょこんと一人で少し寂しそうに座っていた。
ケン坊と最近上手く行ってない事はケン坊から聞いていた。
避けているのはおタカの方らしいけど、仲良くしていれば今日のスキーも楽しい筈なのに。
ケン坊も最近元気が無いけど、おタカの方もそんな感じに見えた。
少し慰めて、仲直りを取り持ってやろうかと酒を片手に後部座席まで移動しておタカの隣に座った。

おタカを笑わせようと面白可笑しく喋っていたらおタカから突然にキスされビックリした。
笑っていたおタカの顔がほんの一瞬笑いが止まったのは感じたけど、其れがキスになるとは想像もしていなかった。

女からキスされたのは生まれて初めてだ。
キスはするのも気持がいいけどされるのはもっと気持がいいものだと初めて知った。
女がキスされると抵抗できなくなる理由が分かった気がする。
今まで、キスしたら女が嫌がるだろうからと遠慮していたのは大間違いだった。
キスされると体中に心地よい電流が流れる。キスは神秘的な力があると思った。

おタカはケン坊にキスされている。一度や二度では無く何度もされている。
乳房も吸われ、秘所も触られ体を濡らしているとケン坊から聴いている。
ケン坊に言わせると、おタカがやらせてくれないとの事だが、こんなに素晴らしい快感のキスを与えられて
おタカがやらせないとは考えられなかった。
体を濡らしているおタカが、やらせないのは、やらせないのでは無くケン坊にヤル気が無いとしか思えない。
多分、ケン坊はおタカに惚れているから、おタカを大事に思うから出来ないのだろう。

おタカにケン坊とは終わったのかと聞いた。隆子は黙って頷いた。
おタカもケン坊が好きだったのに、ケン坊のスピードが合わなかったのだろう。
早くやっちまえとあれだけケン坊に云ったのに、優しさ故にケン坊は遠慮が多すぎたのだと思った。

俺もケン坊と同じ理由で女を取り逃がした事がある。
ケン坊と同じ様に胸が締め付けられて、イザとなったら富士子に何も出来なかった。
自分が富士子にとっていい人であり続けたい思うが故に、キスすら出来なかった。
結果は惨めな敗北しか残らなかったけど、悔やんでも悔やみきれない教訓だ。

ケン坊の気持もよく分る。
早くやっちまえと言われても、自分でそうは思っても、心時めく女を前にすると身体は縛り付けられた様に動けないものだ。
体だけが欲しい女なら躊躇無く手がでるのに、心から痺れてしまった女には体がついていかないものだけど、
ヤッパリやってしまわないのは間違いだ。
でも出来ないなら、それは仕方ないことで縁が無かったと諦めるしか無い。

タイミングは難しい。特に夢中になっている時は何も見えない。
女の思いの方が早くても上手く往かない。
待ちくたびれている間に女は他の男に気が移って他に生きる場所を探す。
そこが男と違う。女は男以上にしたたかに出来ている。

男は頭で考え、女は子宮で考える。だから時間差がある。
やりたいと思った女を手に入れるにはペニスで考えた方がいい。
ペニスなら頭より早く動く。子宮はやられて初めて動き出す。
頭は駄目だ。頭で考えているうちに女は何処かもう手の届かないところへ消えてしまう。

それにしてもおタカは選りに選って何で俺にキスしたのだろう。その辺が分からない。
ケン坊は俺の大事な後輩だ。そのケン坊を裏切っておタカのキスに応えられる訳が無いだろう。
おタカだってその位は知っている筈なのに、何で俺なんだ。
それに最後部座席でとはいえど、彼氏は前の方に乗っているというのに。

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振られる度に、もう恋なんかと何度思ったことか。相手にされないのも寂しいけれど、引寄せられてからストンと捨てられるのはもっと痛い。振られる度に臆病になって、此れは恋では無かったのだと慰める。傷つかない偽りの恋しか出来なくなっても恋は恋、小さくても偽物でも恋は至福です。

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