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母の浮気 

母は浮気していると思う。
相手の男は会社の男、名前は確か田原とかいった。
母より年下の男だけど若い男ではなく、女房、子供が居てもおかしくない年頃で、色は浅黒く中々ハンサムで

一寸クラークケントに似た感じの男だ。
会社の男ということは即ち父親の部下ということになる。
母親の話の様子では営業部の人間らしいから直接の部下では無いかも知れないが、兎に角親父の部下には違いない。

其の男が何時から家に来始めていたのかは知らない。
会社の男達が何人か家に来てクリスマスパーティをやった時にも来て、それで其の男が以前にも何度か
家に来ていることに気が付いた。
母親が浮気しているのでは無いかと疑ったのはその時だった。
親父は其の男が留守中に家に来たことがあるとは知らなかっただろうと思った。
親父はとは余り仲が良くなかったけど、少なくとも会社勤めに関しては勤勉だった。
あまり好きでなかった父親だけど、それでも一生懸命会社で働いて家族を養ってくれていたから、亭主が会社に
行っている間に部下が家にやってきて、自分の女房が抱かれているとしたら可愛そうだと思った。

母と父は職場結婚だったそうだ。
母は営業部にいて役職は係長、会社ではトップセールスマンだったらしいから、其の男は部下だったのかも知れない。
母から一、二度、其の男は優秀な男だと聞かされた事がある。何でも早稲田の出身で頭も切れる男らしいが、
眼鏡の奥の目が怪しい男で、母がその男の事を話す時に妙に浮かれているのが気になっていた。
部下に優秀な部下がいるのは上司としても頼もしいし、自慢なのかも知れないから母が其の男に好意的なのは分かる気もしたけど、
なんとなく上司部下の関係以上の好意の様な感じがした。
母は其の男が家に来る理由を親父の使いで来ていると言っていたが、そんな事ってあるのだろうかと一寸母の弁を疑って聞いていた。

余程、親父に聞いてやろうかと何度か思ったけど、親父とは余り仲がよく無く、それに若し本当に親父に言われて
来ているのだったら母に悪いし、若しも其の男が来ている事を親父が知らなかったら親父を傷つけるし、
それどころか第一、家庭が崩壊するかも知れないという気がして、ついつい聞きそびれてしまっていた。

母が浮気している、と確信したのは或る暑い日、其の男がやって来て、母がその男と大事な話があるから
部屋に入ってこないでと言って階下の部屋の扉をぴしゃりっと閉めて鍵を掛けた時だった。
親父の仕事の関係で家に使いに来た男を何で部屋に通して鍵を掛ける必要があるのだ!と思った。

母は気づいてなかっただろうが、僕はその部屋のどんな些細なことでも知っていた。
入り口の扉を開けるのにどの位な力がいるのか、どの位な力でどの位な音がするのかも知っていたし、
鍵は一番大事な事だったので特に耳は敏感だった。
其の部屋は安恵さんの部屋だったから、畳の擦れる音で安恵さんが中で何をしているのか分かる程熟知していた。
安恵さんの鍵の開け閉めの音などは、安恵さんの一挙一動が僕の生活の全てだったから二階からでも聞き逃さなかった。
扉や鍵の音に限らず部屋の温度や空気も完璧に把握していた。安恵さんと周囲に耳をとぎすませながら
毎日欠かさず体を重ねていた部屋だから、部屋から発する音だけで無く、家全体の音や庭の気配や裏の家の気配も察知できた。


そんな部屋だから、中の様子は扉に耳を立てなくても大凡は判るし、若し何か音を立てれば、それは何をした音なのかは略確実に判る。
母とその男は暫くは普通の会話をしていた。別に扉に耳を充てて聞いていた訳ではないから会話の内容までは
判らないが、狭い部屋だから空気の振動でそう分かる。やがて会話が途切れた。親父の使いで来た筈の男と何で沈黙の会話をする必要があるのだろうと苦笑した。
部屋の中で二人が何をしているのかは明らかだった。
毎日毎日安恵さんと体を交えた部屋だから、母と其の男が音を立てないように注意している様子も空気の間隔で分かった。
扉に耳を充てて覗えばもっと確実に、もっと詳細な状況も分かっただろうが、そんな必要は無かった。
母は其の男と情事をしている・・・、事実としてはそれだけで十分だった。

母は何で其の男を家に呼んでするのだろうと考えた。情事だけなら他の場所ですればいい。
其の男にしても何で上司の家に来て上司の女房とやるのだろう。
しかも息子が居宅しているというのに、何でそんな危険を冒してまでするのだろう。
息子が居宅しているからやるという事は考え難いから、多分息子には分からないだろうと思ってしたのかも
知れないが、何で家で?何で部下と?

母は安恵さんとの事は気づいていなかったと思うが、邦子との事は気づいていたかも知れない。
自分でも男を家に招く位だから、女の勘でも母親の勘でも気づいていた考える方が自然かも知れない。
邦子を家に呼ぶのは中学生の頃に何回か来た事があるからという単純で自然な理由だが、母の場合も同じなのだろうか。
それなら息子が学校へ行っている間の方が安全な筈、ということは何時もそうしていたということか。
母が浮気をしていると確信したあの日が、初めてだとは到底考えられない。
あの日は偶々試験休みだった。今、思うと母は朝からなんとなく落ち着かない動きをしていた。
ドタバタしていたしワサワサしていたしソワソワしていたし、兎に角日頃は見せる事のない落ち着かない動きをしていたので、今日は何かあるのかと思ったのは覚えている。
今思えば息子が試験休みだと知らなかったからあわてていた様にも思える。
母が其の男に何時から抱かれていたのかは見当もつかないが、少なくともあの日より前からに違いないし、
それも多分一度や二度の事では無いと思う。



母の不倫は何時から始まったのだろう。
何時からと言うより最初の交渉が何時何処であったのかが気になる。男と女のことだから一度関係を持てば
気持がどうあろうと後は体が支配してしまうから、後のことは詰ってみても仕方が無い。
同級生の田口の場合、多分田口が中途半端な不良になったのは母親の浮気が原因だと思う。田口は母親に対する
嫌悪感を今でも腹の其処に抱いている。
彼の嫌悪感がどこから来ているのかは聞いたことも無いし考えたこともないけれど、母親の浮気を知ったという
だけでショックだったのは分かる気がする。

田口の場合がどうだったかは知らないが、母親の浮気も子供にとっては嫉妬だと思う。
母親の愛の半分は父に奪われているのに気が付いて自分は半分しか貰えないと思っただけでも悲しいのに、
残った半分を知らない男に奪われたら失意と嫉妬の坩堝に嵌るに違いない。
僕の場合は小さい頃から母親に見捨てられたという悲しみはずうっと胸の奥に抱いて来た。
それは暗くて長くて出口の見えないトンネルの中を一人で彷徨っている様なものだった。
十年以上に及ぶその悲しみの歳月の中で母親から貰える愛はもう残っていないと諦めていたせいか、
田口ほどのショックではなかったかも知れない。

それは安恵さんの存在とか、安恵さんから色々と沢山学んだからだったかも知れない。
そもそも、安恵さんとの切っ掛けというか動機を今思えば、性の目覚めではなく失われた母親への思慕の思いを
安恵さんに求めていたからでは無いかと思し、安恵さんも又、失った子供への愛の悲しみの日々を
僕に振り替えたのではなかったかと思う。

其の男も同じ営業部だったとすれば、仕事で母も出張に同行した可能性はある。
出張先は仕事柄全て観光地、風光明媚な温泉街が殆どの筈だから、ほんの小さなきっかけでもそういう
関係になる可能性は十分あったと思われる。
別に情意は持っていなくても、酒に勢いとか仕事上の悩みとか喜びとか、或いは息子の教育上の悩みとかで
投合してしまうことだって考えられる。

二人が恋仲だったのでおうか。
母には家庭を捨てて男と駆け落ちする様な気配は感じられないけれど、例え体だけの関係だとしても女は情愛を感じるだろうから、
母にとって其の男は愛しい男には違いない。
男の方はどうなのだろう。男が母を好きだったのか、体が欲しかったのか、或いは単に欲情の吐け口だったのかは皆目判らない。
男の印象だと、どうも母を愛していたからという感じはしないけど、それならどうして母を抱くのだろう。

人の女房を寝取る喜びは安恵さんは人妻ではなかったけれど、時には旦那の顔を思い浮かべながらやることもあったから、
人の女を抱く快感も分からないでもない。
そういうことなら上司の女房を寝取るだけでも十分に刺激的だろうし、しかも上司の留守中に上司の家で抱くとなれば、最高の快感に違いない。
それともその男は本当に母を愛していたのだろうか。


母はどんな体位で其の男に抱かれていたのだろうか。
そもそも其の男の前に、僕は親父と母の夫婦生活の有無すら知らない。尤も両親の営みを知っている子供は
居ないかも知れないけど、兎に角、あったとしてもかなり少ないと思う。
其れで、何んで母を抱いてやらないのか、親父につっかかりたいと何度も思った事がある。しかし母の方が
拒絶している可能性もあるから、そうなら何で抱かれてあげないのだと母の方に文句を言わなければならない。

夫婦生活をするもしないも夫婦間の問題、なにも息子がチャチャ入れることでは無いけど、それにしても
やらなすぎると思っていた。
親父はインポなのではないかと本気で考えた事も、若しかしたらやりたいのに息子が邪魔で出来なかったのかも
知れないとも思えた事もあって、結局は何も言えなかった。
それが気になって母が留守の時、黙って両親の部屋の箪笥を調べたらコンドームが出てきて、なんだ、
ちゃんとやっているじゃないかと思って嬉しかった。

しかし、其の時は其れで喜んだものの、母に男の影を見てからは、若しかしてあのコンドームは親父が
使っていたのでは無かったのかも知れないと疑う様になった。
若しそうなら、やっぱり両親の夫婦生活は無かったという事が正しかったというか、そう理解した方が自然な気がする。
両親の間に夫婦生活が無かったとすると、母が年下の男と情事したのは体が寂しかったからかも知れない。
事実、母は他の男と寝ているのだから、母が夫婦生活を拒絶していたとは思えない。
となると、しなかった親父か、夫婦生活を邪魔してさせなかった僕に責任があったのかも知れない。

母がどんな姿でその男にされているのかは色々な意味で興味があるが、その姿を想像してもどうにもイメージが湧かない。
母は美人とは思わないが美形ではあるから、肢体としては想像に耐えるプロポーションだと思うけど中々浮かばない。
淫らな姿の母を想像したくないという心理なのだろうか、それとも親兄弟には情欲を感じさせない様に神が作っているのだろうか。
母が其の男と何度も交わっているとすれば、多分幾つかの体位をさせられているに違いない。
どんな体位か想像しても、何時も安恵さんの像が重なってしまって母の姿態も母の表情も母の声も安恵さんの
それに代わってしまうから想像は難しい。

安恵さんの姿態・表情・声が母の其れに思えて、何時の間にか安恵さんが自分の母の様に思える空想の世界に
入ってしまうから、安恵さんを男として抱いていたつもりでも、安恵さんの中に幼き頃の母への思いを求めていたから、交錯してしまうのだろう。
母がどんな姿態で其の男に抱かれていたのか、どうしても知りたい思いはあったけど、残念ながら其れは諦めた。空想の中に現れる安恵さんの姿態や表情や声を以って、それを母のものとするしかないようだ。
それは本当の母の姿では無いだろうけれど、そんなに離れては居ない気がする。
其の男は僕より大きく逞しいから僕が安恵さんにしたよりは強く激しく母の体を突き上げているだろう違いはあるけれど、
母は安恵さんと同じ様な姿態で同じような気持で抱かれている様な気がする。



母が誰とセックスしようが、親父がどこで浮気しようが構わないけれど、夫婦が交わらないのは一番心配だ。
互いに夫婦間のセックスレスを認め合ってして無いのなら、それはそれで構わないから母に不倫を止めて欲しいとは思わないけど、親父が浮気していなければ一寸不公平だから、母が不倫を止めないのなら親父も浮気をしていて欲しいと思う。

親父はお人よしだし、真面目だし、どうも浮気するタイプでは無いから、浮気はしていない気がするし、
奨励してもやらないと思うから、そうなると母が不倫を止めるのが一番いいと思うのだが、燃え盛っている炎を
消すのは難しいし、下手に手出ししたり口出ししたら今以上に危険な状態にも成りかねない気がする。
母は不倫を正等な行為だとは思っていないだろうけど、燃え尽きる迄自分で止めるのは無理だろう。
だからといって誰も安全に消し止める事は出来ない。
一番いい方法は親父が抱いてやることだ。無理してでも暫く毎晩の様に抱いてやれば、母も女の体だから
自然に毎日入ってくる方を保守する様になるだろう。

しかし親父にそれを促すのは現実的には難しい。
親父よりパワーとか人事の実権のある者が使えれば異動なり左遷なりという方法もあるかも知れないけど、
そういう人を知らないし、知ったとしても理由を説明できないから無理だろう。
叔父貴に相談しようかと思った事もある。身内とはいえ母の醜態ともいえる事を相談するのは勇気がいる。
叔父貴は母より七つ年下、姉弟としても一寸年が離れ過ぎている。
母は小学校時代から成績が優秀で、直ぐ下の既に他界した弟と共に常に学校では総代だったらしいから、
多分叔父貴に相談しても、あの人は頭のいい人だからと言って実際には助けてくれない気がする。
頭のいい人だから自分で解決できると言われれば、そうかなとも思うけど、体で覚えた情欲は頭での理性とか
合理性に関係ない気がする。
どうせ助けて貰えないのなら、態々母の醜態を叔父貴に晒すことはないから、結局叔父貴にも相談していないのだけれど、叔父貴がいいそうな頭のいい人なら安恵さんに通じるものがあるかも知れない。

安恵さんは頭のいい人だった。
知性もあり気高く上品で優しくて物知りで、しかも美人でこれぞ憧れの女人という女性だったけど、
初めての契りを決意した時から女の本性を恥じることなく曝け出しながらも、体と心と頭は夫々の場面で
融合したり分裂したりして上手に夫々の機能を使いこなしていた。
母が安恵さんと同じに使い分けてくれているなら心配無い。
そうでないなら親父が気付かない内に燃え上がった火が沈下するのを祈るしか今僕に出来る事は無い。

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Author:ひろあき
振られる度に、もう恋なんかと何度思ったことか。相手にされないのも寂しいけれど、引寄せられてからストンと捨てられるのはもっと痛い。振られる度に臆病になって、此れは恋では無かったのだと慰める。傷つかない偽りの恋しか出来なくなっても恋は恋、小さくても偽物でも恋は至福です。

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