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前穂高夏季登攀合宿(クラブ山行)

8月17-23日の間、休みを取って京子を連れてクラブの合宿に参加した。
クラブ発足以来奥又白に入るのは初めてだが、合宿に会員以外のメンバーを連れて来た奴もいなし、まして女を
連れて行ったのも会が始まって以来誰も居ない。

メンバーは晶彦さん・哲哉・信吉・健治が先発隊、僕と寿一郎と京子が後発で追いかけた。
足は京子の会社の小さなトラック、僕がよく京子から運転を習っている車だが、この車が僕は非常に気に入っている。
トラックは二人しか乗れない。

17日の夜、運転は京子、僕が助手席、寿一郎が荷台に乗って出発。
八王子辺りまではお回りに見つからないかとヒヤヒヤしながら乗った。
その後は、寿一郎と席を交代、島々の辺りでは僕が荷台の番だったけど、雨が降り出してビショビショになって気持悪かった。

18日、哲哉・信吉が荷揚を手伝いに上高地まで下りてきた。
この二人はクラブで一番の健脚、腕もいいが、実に頼もしい若者だ。
この二人となら何処でも登れる気がして来る、そんな二人が僕は大好きだ。
徳沢で芳兵衛にあった。
久しぶりに会えたのだから芳兵衛を抱きたいところだが、そうは行かないが一寸残念。
今回はダメだけれど、行く所に女がいるというのはいいもんだ。
芳兵衛と分れて又白に登る。

19日、哲哉と右岩稜鵬翔ルートを登りに行った。
先発隊の連中は既に三峰リッジ・三峰フェース・四峰松高。四峰ダイレクト、等を登ってしまったので、
後発隊とすると右岩稜・四峰新村・四峰甲南・北壁・CBAフェース位しか残っていなかった。

京子は信吉・寿一郎と北壁コンタクトを予定する。
右岩稜鵬翔は去年京子と登った古川より難しいとされているが哲哉なら問題ない。
4ピッチ目は壁に連打されたハーケンに鐙を架け替えて登る快適な人工登攀、実に気持がいいけれど
頭に入れてきたルート図とは一寸違う感じがした。
終了点は古川より左に8メートル位な所、どうやら鵬翔じゃ無く左カンテを登ってしまった様だ。

終わって北壁側に回ってみた。
信吉が何時に無く真剣な顔で進退窮まっている。
かなり脆いらしく悲鳴を上げていた。
其処から見る北壁はかなりの高度感、見た目は快適そうだが実は脆いという事なのか。
去年、京子と登った時は新雪が付いていて凄く怖かったのを思い出した。

目の前に見下ろすDフェースも迫力があった。
彼等が抜け切るのを待ってAフェースへ、Aフェースは快適の一語に尽きる。
寿一郎が盛んに撮影ポーズを要求する。
哲哉と信吉が盛んに格好を付ける。
京子が「格好いいツ」「足の短いレビュファー!」と盛んに野次る。

信吉は北壁を「物凄く悪い、Dフェースよりずっと悪かった!」と言っていた。
京子 前穂東壁

20日、前穂高最難関のDフェースを哲哉と登る予定だったが雨空なので四峰甲南に変更。
靴擦れした信吉は京子と停滞、哲哉と寿一郎と僕で甲南に出かけたが、甲南の取り付き点が見つからず右往左往、
幾つものバンドが右上に上がっているので間違えると到達しない感じだ。
甲南のポイントはハングだけで、それ以外は難所も無くあまり楽しくも無かったけれど、それは天気のせいかも知れない。
四峰の稜線に着くと、雨がジャジャー降る中、寿一郎と哲哉は腹減った腹減ったと騒ぐ。
早く降りたかったけど仕方無しに彼等が飯を終わるのを待つ。
下降は北尾根から5・6のコル経由で又白の池へ、途中で雨は上がった。

21日、雨
停滞する。 哲哉は雨の中下山した。
22日、晴
全員下山した。
寿一郎と信吉を島々でトラックから降ろし、横浜へ向かう。
上高地ー横浜ー江ノ島ー鷹取山ー水無川という超ハードコース、水無で京子と泊まる。
今回も京子を抱かなかったけど、いいかげんに抱かないと怒られる?・・かな??

23日、丹沢から城ヶ島に出て、一泳ぎ。
山と川と海で遊んだ今年の夏休みが終わった。

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振られる度に、もう恋なんかと何度思ったことか。相手にされないのも寂しいけれど、引寄せられてからストンと捨てられるのはもっと痛い。振られる度に臆病になって、此れは恋では無かったのだと慰める。傷つかない偽りの恋しか出来なくなっても恋は恋、小さくても偽物でも恋は至福です。

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