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The day after

新しい女を初めて抱いた時、その次に合うのはとても楽しみ。
どんな顔をしてやってくるのか、最初にどんな事を云うのか、それは何時もながらの楽しみだけれど、
Mの場合は其れとは又些か違う。

デイトして逢うのではなく、職場で初顔を見る事になるになる。
しかも、Mの場合、週末を挟むのではなく、”その”翌日、若しかしたらその日の内だったかも知れない。
あの後、まっすぐに家には帰らず、実家に帰って、朝、実家から出勤した。
別に、真夜中に帰る事は珍しく無いし、女房から疑われる事も無いかも知れないけれど、ここのところ
毎晩遅いし、そっちの方で疑われても困るから、女房には実家に泊まると電話して置いた。
何時も遅いといっても、泊まって来る訳ではないし、終電では帰っていたから、待っていて貰っては都合が悪い。

女房はお袋とは相性が悪いから、寄りつかないし、お袋の所に行っているという事を知られると、それだけで不快に思われる。
夫が母親の所に寄りついているというのは、女房からするとマザコンという感じがするらしく、そういう夫を
バカにし、軽視するし、嫌がるから、中々実家に帰れない。
今までは、親父が居たから、お袋とすれば息子が来なくても寂しいとは思っていなかったかも知れないが、
この夏、夫に先立たれ、そろそろ一人暮らしの心細さを感じ始めているかも知れないので丁度良かった。

実家に泊まられると母親と息子の間で女房の悪口を云っているに違いない・・女房は何時もそういう疑心暗鬼に
かられていた。
それは親父が健在だった頃でもそう、親父も含めて三人で嫁の悪口を言っている・・そう思っているらしかった。
だから、実家に行ったその日は勿論、数日間は女房は一言も口を利かない。
殆ど冷戦状態の気不味い状態が続くから、今回も其れは覚悟しなければならないけれど、他のオンナを抱いて来た

疑われるよりは余程ましだ。

実家からの出勤、それは極めて気持がよかった。
バスも電車も同じ路線、違うのはバスの停留所が三つ四つ多くなるだけなのだけれど、まるで風景が違う感じ。
その風景が新鮮というか、懐かしいというか、学生時代から見続けて風景なので、何だかとても嬉しかった。

会社に着いたのは、何時も通りの時間、目に入るものもいつもと変わらないのにMだけは違う。
「おはようございます・・」
台詞は同じ、何時もと変わらないし、昨日とも変わらない。
然し、”昨夜この女を抱いたのだ”と思うと、見る方の視線が何時もとは違う。
Mが着て来たのは、何時もと同じ感じ、何時ものズボン、何時もの靴。
外見的には昨日の朝との区別はまるでつかないのだが、Mを見る目がMを目で脱がせてしまう。

昔、昔のとし子との翌朝の自分の姿を思い出した。
同じ職場で働く女を、その翌日みる楽しみ・・それは今も昔も変わらない。
Mの席は、とし子の時と違って互いに顔を見れる距離ではあるが一寸離れている。
僕との間に障害物は無いから、顔は見れるけれど目の動き迄は読みとれない。
とし子の時は真正面の向かい合わせ、距離にして二メートルあるか無いかだからまともに煮えたけど、
今回はそうはいかない。

その代り、全身が見えるので、座る、立つ、歩く、という姿は全て見とれる。
Mが離席したり着席したりする旅に、あの服の下がどうなっていたのかと思いだしてしまう、
中でも、最初の場面の映像が強烈な印象、当然かも知れないが、最初のあの瞬間は何度でもVTRを見直しているという感じ。
あの乳房をこうやってしゃぶり、あの脚をこうやって開き、あの真ん中にこうやって入れたのだ・・とか、
あの身体の中に俺の精液が今でも入っているのだ!と思うと、それはもう堪らない興奮だった。

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振られる度に、もう恋なんかと何度思ったことか。相手にされないのも寂しいけれど、引寄せられてからストンと捨てられるのはもっと痛い。振られる度に臆病になって、此れは恋では無かったのだと慰める。傷つかない偽りの恋しか出来なくなっても恋は恋、小さくても偽物でも恋は至福です。

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