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同窓会⑪  影の軍団

伊賀流忍者屋敷に行った。
本物の忍者屋敷だったのか、観光用に作った物なのかは不明だけれど、とても面白かった。
そこでは忍者服を着たくノ一(女忍者)が屋敷の中を案内し、室内に仕掛けられた数々の仕掛け・からくりを
見せてくれた。
忍者の術の中に火屯の術というのがあって、其れが忍者のノウハウで、火薬の製造技術が敵方のスパイに
盗まれないために、わなを仕掛けたり、からくり廊下を使って防御していたらしい。
忍者屋敷は農民の住まいそのもので、そこに「どんでん返し」「抜け道」「隠し戸」「刀隠し」などの仕掛け・からくりを備えていたという。

行った伊賀流忍者屋敷は農家という感じではなくどちらかと言うと武家屋敷に近い作り。
然し武家屋敷でも無く、商人の家でも無く、農民の家でも無いという何だかわからない屋敷。
どちらかと言えば庄屋の家という感じ? 何だかわからない家というか建物、数々の仕掛けは勿論
入っただけでは分からないのだけれど、何の家だか分からない家というだけで怪しまれたのでは?と思った。

伊賀には奈良時代以降、東大寺や興福寺などの多くの荘園があって、当時の悪党というのは、こうした
寺院や貴族の領地である荘園に対して反抗的な行動をとった人達のことらしい。
その悪党というのは、もともと土着している地主のような連中で、荘園領主に対して奇襲や撹乱などの戦法を
駆使して反抗していたらしい。
悪党の中には、修験道と関わりをもった者もおり、そこで山伏の戦法を学び、先達として各地を巡る際に
情報収集を行っていたらしい。

有名な百地氏も、もともとは悪党であった大江氏の一派で、大江一族が大峰山で修行したという記録が有るらしいが、
伊賀周辺には、霊山や笠置山、赤目四十八滝など修験に関わる地が多く、役行者信仰も盛んだった様だ。

室町時代に入り荘園を経営する寺社勢力が衰微するにつれて、悪党の活動も徐々に消失して行ったけれど、
今度はその血を引いた「地侍」と言うのが頭角をあらわし、戦国時代に彼らは「伊賀衆」として周辺各地の
戦国大名に従軍して、傭兵として京都や奈良、滋賀、和歌山へ出陣していた様だ。

彼らのその戦術は夜襲や密かに忍び入り火を放つことが中心で、その頃から伊賀衆は「忍び」と呼ばれたらしい。
やがて江戸時代に藤堂藩の治世になると、忍びと呼ばれた人々の子孫は「伊賀者」として、参勤交代の際の
藩主の護衛役や国内の情報収集にあたったりした。
その辺から「無足人」という農兵として帯刀を許され、各村の自治を任される様に成ったらしいから、
伊賀の忍者は誇り高き武士、各地の忍者の中では出世街道を走ったエリートだったと言えるかも知れない。

伊賀流忍術の根本は、修験山伏の使った術が悪党や地侍へと引き継がれたもので、それが時代と共に変化し、
江戸時代になって伝書に広義の忍術としてまとめられたという感じ。
忍術の百科事典といわれる『萬川集海』を書いた藤林氏も地侍の家系で、江戸時代に伊賀者として採用されてからは
上野城下町に住まいを移したらしい。
藤林氏の他にも商人などに職を変えた忍びの末裔も城下町には存在したらしく、山奥から街に移動したのかも知れない。
先人の知恵の結晶である忍術伝書は、現在も伊賀の旧家では大切にしているところもあるらしい。
苦難に満ちた時代を生き抜いた忍びの心、何だか時代劇映画の忍者というより、本当の時代劇を感じる気がした。

忍者屋敷の隠し部屋、実に巧妙に作れている。
秘蜜の部屋だからというせいか、なんか淫美な感じ、見学が終わって奥さんにあの部屋なにか感じた?と聞いた。
あんな部屋でしたいな!と言ったら奥さんも全く同じ事を感じていたと言っていた。
隠し部屋に入った途端、子宮が締まるのを感じたというから、秘蜜の部屋というのは秘事にピッタリなのかも知れない。





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振られる度に、もう恋なんかと何度思ったことか。相手にされないのも寂しいけれど、引寄せられてからストンと捨てられるのはもっと痛い。振られる度に臆病になって、此れは恋では無かったのだと慰める。傷つかない偽りの恋しか出来なくなっても恋は恋、小さくても偽物でも恋は至福です。

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