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同窓会⑱ 比叡山

鞍馬に泊った翌日比叡山に行った。
元々奥さんが行ってみたいと言っていたからでもあるが、歴史的にも興味があった。
有料道路で山頂まで行ける事もも有って、ツーリング的には気持がいい道だった。
比叡山は京都の鬼門にあたる北東に位置することもあり王城鎮護の山とされたらしい。
古事記的には比叡山は日枝山と言うらしいが、その近江国の日枝山に延暦寺が開かれて以降、大山咋神が
天台宗・延暦寺の守護神とされ山王信仰が広まったらしい。
雲母坂は古くから京都と延暦寺を往復する僧侶・僧兵や朝廷の勅使が通った道で東海自然歩道が通っていた。

比叡山には 大比叡と四明岳という二つの頂きがあって、東の頂の大比叡と西の頂の四明岳を総称として比叡山と
いうらしいが、一般には東の頂に所在する一等三角点の点名を「比叡山」としているみたいだ。
この三角点は大津市と京都市の境に位置するが、所在地としては大津らしい。
京都盆地から比叡山を見ると大比叡の頂は未難く、四明岳が比叡山の山頂の様に見えた。
ロープウェイは四明岳の山頂を比叡山頂駅としているから、どっちが正しいのかは分かり難い。

延暦寺は菩提寺とはいっても墓石がある訳ではなく大伽藍の中にしまわれてあるだけ、探すのが大変だった。
先祖の顔も知らないけれど、その先祖が眠る小さな窓に向かって奥さんを紹介した。
昔から、先祖の墓参りに女を連れて行くのが好きで、延暦寺に限らず永平寺でもどこでも先祖の墓の前で
女を紹介するくせがあるのだが、そうすると一年立たない内に女に逃げられてしまう。
だから同じ女とその墓に二度行った事は無い、それはジンクスにも似た感じ、きっと奥さんとも最初で最後、
そんな風になると思いながらも、ジンクスを破れるかも知れないと期待もしてみた。

昔から寺とか神社とか墓とか仏壇とかの前に立つと、女を抱きたくなる妙な習性がある。
残念ながら先祖の墓の前でやった事はは無いけれど、縁も所縁もない寺でも何故かそういう感じになる。
生々しい性欲というのではなく、寧ろ清らかな感じ、女に声も立てさせず無言のまま成し遂げたいという気分。
其れがどういう事なのか、いまだに理解出来ないのだけれど、兎に角不思議な世界に入ってしまう。
延暦寺ではそれは絶対に不可能、だから奥さんとやりたいとは本気では思わなかったけれど、若し誰もいなければ、かなり気持ちよく出来そうな雰囲気はあった。

そう言えば、鞍馬山でならそういうチャンスはあったなと、惜しい事をしたと思った。
奥さんとは白根山でもしたし、筑波山でもした事があるのだから鞍馬でも出来たに違いない。
筑波山の時の様に全裸にするのは無理だろうが、白根山みたいに半裸なら奥さんも拒絶しなかったのでは?
と思うと残念。
尤も、鞍馬の天狗さんのあの巨大な鼻に圧倒されて、僕の方はそれどころではなかったかも知れないが、
奥さんの方はかなり竦んでしがみ着いていたのだから、寧ろしてあげるべきだった様な気もしないではなかった。

そう言えば今朝がた、奥さんは夕べは天狗さまに召された気分だったと言っていた。
山の神様の生贄として召された、そう言う感じだったらしいから、もっと早く気が付けばよかったと残念に思った。
夕べは奥さんは粛々として抱かれていた。
隣のカップルの声に圧倒されて、声を上げるのが恥ずかしかったのだろうと思っていたけれど、そうでは無く、
圧倒的な支配力を持つ山の神様に召されて声も立てられなかったという事だったのかも知れない。

帰り際、雄琴に立ち寄った。
有名なソープの街を奥さんに見せてみたい、ふとそんな気がして、街の裏手にバイクを置いてソープ街を歩いた。
奥さんは雄琴を知らなかったみたいだったけれどソープがどう言う処かは漠然とは知っていたみたいだ。
沢山のソープランドが一か所に集まっていて、その風貌はラブホ街というよりディズニーランドに近かった。
奥さんに、この建物の中は大人の遊園地なのだと言ったら、なんとなく新しい理解をした様な感じだった。
奥さん的にはもっと暗くて売春という暗黒的なイメージを持っていたらしい。
あの中には沢山の部屋があって、今この瞬間もどの部屋でも男と女が交わっているのだと言ったら驚いていた。
その驚きようが一寸変わっていた。
奥さんはあたかも夫以外の男に身を任せるような事をしているのは自分だけだた思っていたかの様な感じ、
見あげるソープのどの部屋でも沢山の女性が抱かれていると聞いて驚いたという感じだった。




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振られる度に、もう恋なんかと何度思ったことか。相手にされないのも寂しいけれど、引寄せられてからストンと捨てられるのはもっと痛い。振られる度に臆病になって、此れは恋では無かったのだと慰める。傷つかない偽りの恋しか出来なくなっても恋は恋、小さくても偽物でも恋は至福です。

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