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悪魔の腸 ③名台詞

山田さんの奥さんの一つの特徴は時空を越える人だった。

昔付き合った女性の中にはかなり時差のある人がいた。
ジャストオンタイムの女性もいたけれど先に走っている人、後からついて来る人、時差感は様々、
コミニュケーションというのは中々難しいもの、特に時差が先にある人は目が回る。

やっぱり一番気持ちがいいのはジャストオンタイム、そういう意味では昌江が一番気持良かった。
今したいと思っている事を全く同じタイミングで昌江もしたいと思っている、全く考えている事が同じ、
そういう女性との付き合いは最高、ストレスが無くて快適そのもの。

大概の女性はジャストインタイム、まあまあ極普通、会話的にそれほどストレスもなく許容範囲の時差だけど、
遅い人だと結構疲れる。
早い人と言えば、障子、啓子、陽子あたりも早かったけど、彼女達位の早さなら話に追いついていける。
処が中には邦子の様に宇宙時計の人もいる。
そうなると地球時計では付いていけないというか、既に次元が違うから宇宙人との会話という感んじ。
地球の一年は宇宙の一秒にも満たないからついていく事自体不可能。

山田さんの奥さんは宇宙人では無いけれど、プロペラ機とジェット機位の差はあったかも知れない。
とりあえず視界にはあるのだけれど、音がした時には空の彼方という感じ、兎に角頭はとっくに先に走っている。
山田さんの身体は飛行機雲、身体を捕まえるのは簡単だけれど、頭を捕まえるのは結構難しいから、何時も意識して
先回りしないと追いつけない。
目的地に先についていて待っている位の先読みしないと感覚の時制の一致は難しいかも。
只、目的地は大体想像が付くから、先回りするのは何とかなる、そんな感じの付き合いだったかも知れない。

山田さんの奥さんへの思いは恋では無いから理屈的には奥さんの気持は恥ずかしく無く聞く事が出来た筈だ。
然し、恋では無い相手にどう思っているか?と聞くのは理由が成立しないから其れは其れで中々厄介なものだ。
好きな相手に好きだ!と言えるのは余程純粋か余程無神経な奴、好きな相手に好きか?と聞ける奴は只のバカ。
好きでも無い相手に好きだ!という奴は只の嘘つき、好きでも無い相手に好きか?と聞くのは只のアホだ。

恋では無い思いなのにそれでも相手の気持を知りたがるのは人間の自己防御の本能だろう。
山田さんの奥さんへの思いは膝の接触とか手の接触で伝えるしかなかった。
目は口ほどにものを言うというが、口よりも目、目よりも手、手よりも膝の方が気持を正確に伝える事が出来る
事もある。
実際問題、あの時の気持を口で言おうとしたらどう言う言葉も正確では無かったに違いない。
スキンシップ、それは時によって言葉より巧みな会話ツールになることもあるものだ。
スキンシップ、それは極めてサイレントなコミニュケーションツール、然し時としてそれは音声会話より早く
相手に伝心し、会話を早く進める事が出来る。

”私、辱められるのですか?”
あの名台詞は会話がかなり先に飛んでいた証拠、オンタイムだったら、そう言う妙な台詞にはならなかったに違いない。
人は光より早く走れるか?あの時の奥さんの言葉は、アインシュタインに聞かせてあげたかった程だ。
それはあたかも光年を超えて未来から現在にやって来たという感じ。
”私、辱められるのですか?”
あの奥さんの名台詞は、奥さんの中では既に未来の禁断の世界から時空を超えて未だ結ばれていない現在に
戻って来た感じだった。

実際問題、みずきの漬けものを届けると電話で云った時、つまり奥さんが漬けものを届けて貰えると電話で
聞いた時、奥さんの中では既に漬けものは届けられてもう食べてしまっていたと奥さんは言っていた。
未だ未来形なのに、奥さんの感覚の中では既に過去形だったという事だ。
若しかしたら奥さんは未来が見える超能力者?
まあ、そういう訳ではないのだろうけれど、未だ届けても居ない漬けものを既に貰って食べ終わっていたと
云うのだから、やっぱり現実の時間とは差があったのは確かだ。

然し、そうした時差があっても会話が成立したのは、”時差はあれど軌道は同じ”だったという事だろう。
奥さんとは何らトラブルは無かったし、意見の食い違いも無かったけれど、例え意見の対立があっても
人間、軸がぶれていなければ、相手を理解できるものだと教えてくれた人、奥さんはそんな人だった気がする。

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振られる度に、もう恋なんかと何度思ったことか。相手にされないのも寂しいけれど、引寄せられてからストンと捨てられるのはもっと痛い。振られる度に臆病になって、此れは恋では無かったのだと慰める。傷つかない偽りの恋しか出来なくなっても恋は恋、小さくても偽物でも恋は至福です。

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