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「遥かなる山の彼方に」 1 快刀乱麻(11)

拳法の練習が終わるのを待って、未だ道着姿のままの天城に晶子は恐る恐る話し掛けた。 山を辞めてしまった天城にJRC入会の意志は全く無さそうな気配だし、名前だけ登録しろと言ってもとても聞かなさそうな雰囲気だ。拳法が忙しいと言って断るだろうか、それとももう山はやらないと言うだろうか・・・、晶子はガンが反対した槍ヶ岳を言い出すたじろぎを感じたが思い切って切り出した。  「槍に一緒に行って欲しいんだけど……」...

「遥かなる山の彼方に」 1 快刀乱麻(10)

地下の道場、何時来ても漂う蛮境の匂い。 男達の叫び声と共に防具を纏った体に蹴り込む音が地下室に響き渡る。 窓からそっと覗く晶子の目に何人もの異様な風体が飛び込んで来た。 質実剛健と書かれた大きな額の下で数人の男達が罵声を浴びながら蹴り合い殴り合っている。  中央で乱取りをしている三組を囲んで道場の縁に総別して二十人位が座しているが、その一人一人を探してもどれが天城だか分からなかった。天城はどれだ、...

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ひろあき

Author:ひろあき
振られる度に、もう恋なんかと何度思ったことか。相手にされないのも寂しいけれど、引寄せられてからストンと捨てられるのはもっと痛い。振られる度に臆病になって、此れは恋では無かったのだと慰める。傷つかない偽りの恋しか出来なくなっても恋は恋、小さくても偽物でも恋は至福です。

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